公園について
箱根強羅公園とは
箱根登山電車の終着駅、強羅に大正3年(1914年)に開園された、日本初のフランス式整型庭園です。フランス式整型庭園とは、平坦で広大な敷地に左右対称に幾何学的に池などを配置した特徴がありますが、強羅公園は傾斜面に作られています。
広い空と山々に囲まれた開放的な園内には、様々な花が植えられており、花の名所でもあります。
また、熱帯植物館や茶室、体験工房などの施設もあり、いろいろな体験を一度にできるのが魅力です。
四季の楽しみ
4月上旬頃の桜の開花と共に、園内は様々な花が咲き始め、つつじ、しゃくなげ、新緑と、1年で最も華やかな季節です。陽気のいい日には、お弁当を持ってお花見やピクニックなどもおすすめです。
6月下旬~7月下旬はあじさいの季節。園内の色とりどりの趣のあるあじさいが咲きます。くもりや雨の日が多いですが、味わい深い散策を楽しめます。
梅雨が明け、8月に入ると園内も夏休みの雰囲気になります。
様々なイベントも行われ、夏の風物詩、毎年8月16日行われる大文字焼きは、園内から花火と共に楽しむことができます。
暑さが和らぐ季節。10月になるとジュウガツザクラが咲き始め、11月上旬頃には鮮やかな赤に染まるモミジとの美しいコラボレーションを楽しむことができます。また、白雲洞茶苑からの紅葉も大変美しく、歴史ある日本の美を感じることができます。
12月に入るとクリスマスのイベントが行われることも。雪が降ると、あたり一面銀世界、本格的な冬が訪れます。冬の時期は空気が澄み、天気がいい日には遠く海も眺められ、冬ならではの景色を楽しむことができます。
箱根強羅公園の歴史
箱根強羅公園は、箱根登山鉄道の前身である小田原電気鉄道が湯本-強羅間の登山鉄道敷設の計画に先立って造園され、将来の登山鉄道の終点となる強羅のシンボルとして考えられていました。強羅の中心に位置するこの公園の総面積は約36,400㎡で、そのうちの上段の日本庭園は9,900㎡、下段のフランス式整形庭園は26,500㎡の規模でした。日本庭園の部分は現在の箱根美術館にあたり、道路を隔てた下段のフランス式整型庭園が現在の箱根強羅公園となっています。
公園の設計者は、当時造園の第一人者である一色七五郎であり、噴水池を中心に左右対称な地割り構成が特徴的です。当時の日本では、洋式の建築・庭園が流行していて、建築では東京駅、庭園では明治神宮外苑の一部や新宿御苑の一部というように多くの例がみられますが、箱根強羅公園は完全な形で現存している非常に貴重な公園となっています。
開園当時の音楽堂。大きな岩があり、荒涼としていた様子がわかります。
開園当時のプール。今のクラフトハウスのある場所に存在しましたが、現在はありません。
国登録記念物
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白雲洞茶苑
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噴水池
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正門
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石段及び石壁
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水道口
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斎藤茂吉歌碑
箱根強羅公園のフシギ
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西門から入る強羅公園
正門と西門では気温が違う?
坂道と階段ばかりの強羅公園、正門と西門とでは約40メートルの標高差があり、ウソのような本当の話ですが、上(西門)の方に行くと寒さを感じるなど、気温の違いを感じることができます。
冬は、園内の途中から雪が降っている、という珍しい現象もたまにあります。
夏はより上(西門)の方へ行くと涼しさを味わえるかもしれませんね。 -
岩だらけの強羅公園
かつては岩ばかりで荒涼としていた場所に強羅公園を開園したので、園内には大きな岩がゴロゴロと、いたる所にあります。
新しく木や花を植えるときにも一苦労。うまく岩と共存して強羅公園は大きくなってきました。よく見ると色々な形をした珍しい岩があるので、ぜひ注目してみてください。