関係者インタビュー 登山電車の魅力と新型車両への思いを語る

箱根登山鉄道 取締役社長 府川 光夫

皆様、こんにちは。

さて、この度弊社では、新型といたしましては25年ぶりとなる車両、3000形を導入いたしました。

この車両のデザインにつきましては、小田急ロマンスカーVSE、MSEのデザインなども手がけられている、『岡部憲明アーキテクチャーネットワーク』にお願いいたしました。車両の特長といたしましては、乗車された皆様が箱根の雄大な自然を間近に体感いただけるよう、従来車両よりも大きな窓ガラスを採用しているほか、車体色は我が国の伝統的な色である「緋色(ひいろ)」、「茜色(あかねいろ)」をベースとして製作した『バーミリオンはこね』と名づけました新色を採用し、箱根の四季の移ろいにも呼応する外観といたしました。

このほか、弊社初となるVVVFインバータ制御装置やLED照明の採用により使用電力量削減に努めたほか、「箱根旅行の楽しさ」をテーマに、見た目のみならず触感も柔らかな印象となるよう趣向を凝らした内装とするなど、90年を超える山岳鉄道としての伝統を感じさせつつ、現代的な雰囲気を併せ持った、素晴らしい車両となったのではないかと自負いたしております。

現在、皆様をお迎えすべく、全社を挙げて準備をしておるところでありますが、きっと皆様の旅の豊かな思い出づくりの一助となる車両であると思いますので、営業運転開始までしばらくお楽しみにお待ちください。

皆様のご乗車を心よりお待ち申し上げております。

岡部憲明アーキテクチャーネットワーク代表 岡部 憲明

箱根の魅力は実に多様な自然の姿にあります。

登山鉄道に乗ることはこの箱根の自然の細やかさに身体も知覚も包まれることを意味していると思います。

その豊かさを最大限感じ取れる車輌を創りだすことが今回3000形のテーマでした。

車輌の存在を忘れまるで緑の木々の中を巡る感覚を持てるように 前面、後面の運転室と客席間の仕切りには大きな透明性を持たせ、低くおさえた運転台により可能な限り大きなフロントガラスを取り付けました。

さらに床から天井面にいたる縦にのびた展望窓からは深い谷から遠方の山々までの視界がひろがります。

天井の仕上げ、つり革、照明なども極力めだたたない表現でデザインし、座席の窓からものびやかに外の景色が楽しめます。

森の中を散策するように箱根を味わう、そんな車輌の登場です。

バーミリオンはこねと名づけた暖かく鮮明な赤色の外観は、箱根の自然の美しさを引き立ててくれるものと思います。

検車区長 伊與田 透

箱根の新しい顔となって

長年の思いであった新造車両が動き始めます。
この3000形車両は、当社初の交流モーターを使ったVVVF制御の車両です。時代の流れとともにコンパクトな制御器が開発され、1両の短い車両に搭載することが出来ました。

前面部分を1枚ガラスにした事により、運転台後ろのお客さまは、自分が運転しているかの様な景色を楽しむことが出来ます。

また、客室内の大きな窓からは、沿線のあじさいや箱根の風景を満喫できる車両として天下の険を走ってまいります。

3000形の導入により、昭和レトロな100形、主力車両の1000形・2000形と、大きく分けて3種類の車両を保有することとなり、整備を行うには、幅広い知識と技術が必要になってまいりますが、安全で快適な箱根の旅のお手伝いを行ってまいりたいと思います。

総合運転所 首席助役 岡 邦博

3000形に想いをこめて

箱根登山鉄道に新型車両3000形がデビューします。夢にまで見た25年ぶり待望の新型車両です。

現在はスピード社会です。その中で箱根登山鉄道は箱根の山を40分かけてトコトコ登っていきます。この新型車両はその状況にピッタリ。大きな窓と展望窓があり、眺望が良く、春の新緑・夏のあじさい・秋の紅葉・冬の雪景色と、箱根の移りゆく季節を思う存分満喫できます。

この新型車両を製造するに当たり、「新車プロジェクトチーム」を結成し、お客さまに上質の感動を提供するには、どんな新型車両がよいかを日々議論してきました。

新型車両3000形にぜひご乗車していたたき、「あなた」のベスト風景を探して見てはいかがでしょうか。

「出山鉄橋と新型車両」の風景がベストマッチかな?

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